住宅新報社・季刊「不動産受験新報」2009年春号

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行政書士合格塾

はじめて行政書士 民法2章10 「代理」2 植杉伸介

「はじめて行政書士 民法」
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② 無権代理
 代理行為が有効に行われ、代理の効果が本人に帰属するためには、代理人が代理権を有する必要があります。

ところが、現実の世の中では、代理権のない者が代理人として契約をしてしまうことがあります。これを無権代理といいます。このような行為が有効になったのでは、本人が困りますから、無権代理の効果は、本人に帰属しません(民法一一三条一項)。

 しかし、無権代理の効果を有効に本人に帰属させたい場合もあります。たとえば、本人から代理権を与えられていないが、本人のためだと思って、いわばお節介で勝手に代理行為を行ったような場合です。

そこで、本人は、無権代理行為を追認することができ、追認したときは、契約の時にさかのぼって有効な代理行為となります(民法一一三条二項)。

 無権代理によって被害を受ける可能性があるのは、本人と相手方です。まず、無権代理は原則として無効だが、追認することもできるというかたちで、本人の保護は十分図られています。

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はじめて行政書士 民法2章10 「代理」1 植杉伸介

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19 代  理
① 代理の仕組み
 自分の契約は自分で行うのが原則です。しかし、すべての契約を自分で行わなければならないとすると、たくさんの取引をして商売を広げようとしても、人間の身体は一つだけなので、限界があります。

また、未成年者や成年被後見人のように、自分一人では契約できない人もいます。そこで、本人に代わって契約などをしてくれる存在として、代理人というものが必要となってくるのです。

 ●代理の種類
 代理には二種類あります。本人が自分の意思で代理を頼む場合を「任意代理」といい、未成年者・成年被後見人の保護者のように、代理人を置くことが法律で決められている場合を「法定代理」といいます。

 ●代理行為と代理の効果
 代理行為は、代理人が行います。契約の意思表示をするのは代理人ですし、契約書を作成してハンコを押す場合も、本人の印鑑ではなく、代理人のものを押します。

 しかし、契約の効果は、直接本人に帰属します(民法九九条)。いったん代理人に帰属するということはありません。本人が代理を頼まず、自分で契約した場合と同じ結果なのです。
 

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民法2章9  時効

18 時  効

「時効」の要点整理

1 取得時効
① 所有権の取得時効
 他人の物でも、所有の意思をもって、平穏にかつ公然と一定期間(一〇年または二〇年)占有していれば、その所有権を取得できます。
 占有の開始の時に善意無過失の場合…………   一〇年
 占有開始の時に悪意または善意有過失の場合…   二〇年

② 所有権以外の財産権の取得時効
 地上権、地役権、賃借権なども、所有権と同様に、時効取得することができます(善意無過失なら一〇年、それ以外なら二〇年)。


2 消滅時効
① 債権の消滅時効
 通常の債権は、権利を行使できる時から一〇年経過すると、時効により消滅します。「権利を行使できる時」が消滅時効の起算点ですが、これは客観的に権利行使可能であればよく、当事者の主観的な事情は関係ありません。

② 所有権以外の財産権の消滅時効
 地上権、地役権等は、二〇年で消滅時効にかかります。所有権そのものは消滅時効にかかりません。

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民法2章8  善意・悪意・過失

16 善意・悪意・過失
 前項の心裡留保の説明のところで、相手方が真意を「知っていた」場合の話が出てきましたが、この「知っていた」ということを法律用語では、「悪意」といいます。

 日常用語では「悪意」というと、「悪意に満ちた」という表現があるように、悪い感情を示す嫌な意味に使われます。しかし、法律用語の「悪意」には、そのような意味はなく、単純に事実を知っているということだけを指します。

 悪意の反対で、単に事実を知らないことを法律用語で「善意」といいます。この「善意」という言葉にも、悪意と同じように、善良なという意味は含まれていません。単純に事実を知らないことだけを指します。

 一定の事実を認識しなかった場合に、不注意があることを「過失」といいます。

たとえば、Aさんが真意ではないのに「自分の土地を一〇〇〇万円で売ろう」と意思表示したのですが、日頃からAさんはこのような冗談をよく言うことをわかっていながら、Bさんがこれを軽率に信じた場合、BさんはAさんの真意につて善意だけど過失があることになります。
 

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民法2章7 意思表示

15 意思表示
 契約は、申込みと承諾の意思表示の合致によって成立するわけですが、それは意思表示が正常に行われたことを前提にしています。なんらかの理由で、意思表示が正常に行われていない場合は、その意思表示の効力を否定する必要があります。

そこで、意思表示が正常に行われなかった場合として、どのようなものがあるか問題になります。

 なお、ここでいう「意思表示」とは、当然ながら、法律的な効果が生じることを意図した意思の表示を指します。日常用語的には、「あなたが好きです」とか「今日は暑いですね」というのも意思表示の一種といえますが、これは法律的な意味がないので、ここでいう「意思表示」には含まれません。

① 制限行為能力者
 まず、意思表示を行う意思決定そのものに問題がある場合があります。これは、すでにお話しした制限行為能力者の意思表示が該当します。

制限行為能力者は、判断能力が十分ではないので、たとえば、土地を買う意思表示をした場合であれば、「この土地を買おう」という意思決定自体に問題があります。

通常の判断能力がある者なら、契約しないと思われるようなケースでも、「買う」といってしまうおそれがあります。それゆえ、制限行為能力者が単独で行った意思表示は、後で取り消すことができるとされているのです。

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民法2章6  信義誠実の原則他

13 信義誠実の原則
 民法は、権利行使および義務の履行の基本原則として、信義に従い誠実に行動することを義務づけています(民法一条二項)。これを信義誠実の原則、略して信義則(しんぎそく)といいます。

 この信義則は、民法全体を貫く原則ですが、特に契約関係において問題になります。契約は、当事者相互の信頼を基礎として成り立っているからです。平気で人を裏切り、約束を守らないような相手とは、だれも契約しないでしょう。

 信義則における「信義」とか「誠実」という言葉は、抽象的で意味内容がハッキリしませんが、ハッキリしないぶん、かえって問題解決に困った場合に幅広く使える便利な原則となっています。たとえば、契約内容が不明確な場合など、信義則に適合するように解釈されることがよくあります。

 また、たとえば、契約前日に火事で全焼していた建物の売買契約が締結されたという場合、そもそも契約自体が成立せず、無効な契約となります。この世に存在しない物を売買することは不可能だからです。
 

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民法2章5  契約の成立他

11 契約の成立
 契約はどのようにして成立するのでしょうか。この問題は、民法の基礎知識のなかでも特に重要な知識です。

 契約は、当事者間の意思表示の合致によって成立します。これをさらに分解すると、一方からの申込みと相手方の承諾という二つの意思表示が一致することによって、契約が成立することになります。

 たとえば、Aさんが自分の土地を売ろうと思って、Bさんに対し「この土地を二〇〇〇万円で買いませんか」と話をもちかけ、これに対してBさんが「わかりました。その土地を二〇〇〇万円で買いましょう」と返事をすれば、土地の売買契約が成立するのです。

 最初に話をもちかけた意思表示が「申込み」で、それに対する返事が「承諾」です。したがって、売主・買主どちらの意思表示が「申込み」になるかは、契約によって異なります。

前の例とは逆に、買主Bさんのほうから先に「その土地を二〇〇〇万円で売ってくれませんか」と話をもちかければ、Bさんの意思表示が「申込み」になり、これに対するAさんの「わかりました。二〇〇〇万円で売りましょう」という返事が「承諾」になります。
 

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民法2章4  物権法定主義他

8 物権法定主義
物権は、法律で定められたもの以外は認められず、当事者が勝手につくりだすことはできません(民法一七五条)。これを物権法定主義といいます。

 この点は、債権と対比して理解しておく必要があります。

物権と違って、債権は原則として当事者が自由にその内容を定めることができます。もちろん、不可能を強いたり、社会正義に反する内容のものなどはさすがに認められませんが、そうでない限り、当事者の合意によってさまざまな内容の債権を設定することができるのです。

たとえば、「一〇〇〇円あげるから庭掃除をしろ」という債権や「モデルとして採用するから、一か月で三キロダイエットしろ」という債権などでもかまいません。

 このような違いは、前述の物権と債権の性質の違いから導かれることです。すなわち、債権については、特定のAさんとBさんの間だけで主張される権利ですから、AさんとBさんさえ納得すればそれでいいのです。ユニークな債権を設定しても、当事者以外の者には迷惑がかからないのです。

 これに対して、

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民法2章3  不動産と動産

5 不動産と動産
 取引の客体となる有体物は、不動産と動産に分けられます。

 不動産とは、土地およびその定着物をいいます(民法八六条一項)。土地については説明するまでもないでしょう。問題は、土地の定着物の意味です。土地にくっついている物を指すわけですが、ただくっついていればいいというものでもありません。

「定着」というためには、継続的に一定の土地にくっつけて使用されることが、その物の取引上の性質と認められるものでなければなりません。たとえば、一時的に保管するために土地に仮植しただけの樹木は、「定着」とはいえないので、動産として扱われます。

 土地の定着物としては、石垣、樹木、建物等があげられますが、建物とそれ以外の定着物には重要な違いがあります。建物は、常に土地と離れた独立の不動産として扱われます。土地を売却しても、その上の建物まで自動的に権利が移転することはありません。

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民法2章2  法人


3 法  人

「法人」の要点整理

1 法人の種類
① 社団法人・財団法人
 社団法人とは、人の集合体で、法人格を認められたもの。
 財団法人とは、一定の目的のために供せられた財産を管理・運営するために作られる法人。

② 公益法人・営利法人・中間法人
 公益法人とは、営利を目的とせず、社会全体の利益となる事業を行うことを目的とする法人。
 営利法人とは、営利を目的とする事業を行う法人。
 中間法人とは、営利を目的とするわけでもなく、公益を目的とするわけでもない中間的な法人。


2 法人の設立
 営利を目的としない社団・財団は、一般法人法に定める一定の要件を満たしたうえで、主たる事務所の所在地において法人設立の登記をすることによって、法人として成立します。原則として、関連官庁の許可や認可は必要ありません。

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